自称彼氏と自傷彼女。
「音色ったら、相変わらずモテモテだねー?」
「はい?」
これだから天然は好かれるんだよな。
あたしが男だったら間違いなく、佐奈を選ぶ。
「皆佐奈を見てるんだよ」
「えー、違う違う!なにいってんの?もしかして今まで自覚なし?」
「その言葉そのままそっくり返すよ」
「やっだ!あんた馬鹿?あんたみたいに小柄で可愛らしい子が一番もてるんだよ?」
「…可愛らしい?」
空耳か?今あたしに向かって可愛いって言ったのこの子?
あらやだ。
病気かしら。病院つれてかなきゃ。もしかしてもう手遅れ?
「佐奈、病院いこ」
「ちょ、待ちなよ!本当の話だから!3年生の先輩があんたの事狙ってるって噂知らないの?」
「全く」
「あぁ、この子馬鹿だ。末期だ。自分の顔見た事無いんだわ可哀想に。あんた、気をつけなよ?」
「何が?」
「これでも言うか鈍感!音色はモテるの!少しは危険感もちなよ、ってこと。」
やっぱこの子末期だ。
病院に連れてったら間違いなく緊急治療室に入れられる。