恋綴り




「…どうした岸川、タイム落ちてるぞ?」

「あー…そうですか」


陸部のエースの岸川先輩のタイムが落ちるなんて珍しいな


「まあ、疲れが溜まってるんだろう。アイシングして、ケアをしっかりしろよ」


「はい、・・・わかりました」


タオルを手に取り、颯爽とグランドを後にする岸川先輩


それと共にグランドから消えていくファンの女子達



「あ....行っちゃった....」


少し、切ない気持ちになった


.....まあ、私のことなんて
きっと知らないだろうしな.....








“私の完全な片思い”






気づいてもらおうと思えば思うほど
ただ
虚しくなるだけだった






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