恋綴り
「さあて、そろそろ帰らんとな。ほら、行くで」
夕日がさす道を
龍はどんどん歩いていく
その後ろを
小さく歩く自分
「これ、あん時と全然変わらんなあ…」
不意に龍が呟いた
「あん時?」
足を止めていた龍に追い付き
疑問を問いかけた
「せや、覚えてへんの?」
うちの頭には
はてなばかりが浮かんだ
「…なんやっけ」
「はあ、だからお前はバカなんだよ」
「はあ?バカ関係ないやろが!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎながら
家路を歩いた