恋綴り


目の前には、彼女さんの手首を掴む
岸川先輩がいた




「岸川先輩!?」


「綾斗...なんでここに!?今日、部活じゃ「うるせぇよ」



先輩は
彼女さんを上から睨み、強く手首を掴みながら言った


「俺別に、お前にゾッコンなんかしてねぇからな?勘違いすんなよ。それに、別れたきゃ別れてやるよ。お前となんかもう付き合っちゃいらんねぇよ」



今までに見たことのないような顔をしていた



「ちょっと、なんなのあんたたち!!!からかうのもいい加減にしなさいよ!!」


顔を真っ赤にしながらバッと手を振り払い、廊下を早足で去っていった



「......ふぅ.....翔子ちゃん、大丈夫だった?」


「えっ!あ、はい...大丈夫ですよ!!....先輩のほうこそ...大丈夫ですか.....?」


恐る恐る聞くと
少し、切なそうな顔をした


「ん、平気だよ.....ちょっと寂しい気もするけどね」



それはそうだ









だって....あんなに好きだった彼女にあんなこと...





「まぁ、これで一件落着って思えばどうってことないね」



また八重歯を見せてにこっと笑った



「先輩....「そう言えばさ、明日、大会なんだよね。翔子ちゃん、見に来てくれる?」


唐突に質問され、驚いた








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