恋綴り
そして帰り際
「先輩!!」
偶然にも、岸川先輩の姿を発見した
「あれ、翔子ちゃん!本当に来てくれたんだ」
「もちろんですよ!優勝、おめでとうございます!!昨日の今日で、落ち込んでないか心配だったんですけど.......はっ!すいませんっ!失礼なことを!!!」
やばい!
一番触れちゃいけないことだったのに!!!
「ははっ、いいのいいの。昨日のおかげでスッキリして良い走りできたしさ」
「は、はぁ...」
少し、申し訳ない気持ちになった
と、そう思ったときあることが浮かんだ
「先輩!来週も、大事な大会があるんですよね...?」
「ん、あ、そうそう。それで引退かどうかが決まる大会がね」
「わ、私、その大会も絶対応援行きます!!!」
先輩はキョトンと目を丸くしていた
なんせ、こんながっついた私を見せるのは初めてだった
「だめ...ですか?」
恐る恐る聞いてみると
またあのキラキラした笑顔になり
「それなら俺、翔子ちゃんのために優勝しなきゃ」
頭をくしゃっと撫でられた
どんな顔をして良いのからない
でも
「先輩...?」
「ん?」
「ずっとずっと、応援してますからねっ!」
精一杯の笑顔で先輩に伝えた
「ありがとう。すげぇ嬉しい!」