誰よりも、好きでした。
それは、まきとみきのところへ行こうと
机を立ったときだった。
私の前を通り過ぎた男の子。
一瞬見ただけなのに
私の胸が高鳴った。
ハートビート
…いや、ふざけてる場合じゃない。
胸の鼓動がおかしいほどはやくなる。
私の目線に気付いたのか、
彼が私の方を向いた。
そして、私の胸が
もっとはやくなると同時に、
彼と目があった。
だが、彼はすぐに目を逸らして
私の前を通り過ぎた。
だが、それからも胸の鼓動は
おさまらなかった。