ワケあり!
「さぁ…でも、神頼みしてましたよ。アクロバットなことだから、神様にも頼まなきゃいけないとかなんとか」

 とりあえず、自分とボスの話は置いておく。

 何が、ヤブヘビになるか分からないのだ。

「八坂さんに? んー、アクロバットねぇ」

 少し考え込んだ後。

「あー…それに、絹が関係してるって、小僧言ってなかったか?」

 どきっ。

 さすがに、ボスまで話は発展しなかったが、彼女は蒲生の前足で押さえられたようだ。

「……何か巻き込むって言ってましたね」

 ボスの話は出さない。

 聞かれていないから、嘘はついていない。

 ただ。

 これで、絹の立場が更に微妙になった気がした。

「フフ~ン…何か読めてきたカモ」

 少し楽しそうになってきた蒲生の声に、絹はいやーな気持ちを拭えずにいた。
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