ワケあり!
「お前は、天才だー!」
帰りついた絹は、ボスに絶賛された。
わざわざ、玄関まで出迎えてもらえるほど、喜んでいるようだ。
もう、広井家の車は走り去った。
見送った後に、絹は家に入ってきたのだから。
「すみません、勝手に家を教えて」
一応、絹は午後にマイクにしゃべりかけたのだ。
『教えてマズイことがあれば、何かで知らせて下さい』と。
信号弾でも打ち上がるかと、授業中は時々窓の外を見ていた。
しかし、外は静かなまま。
「はっはっはっ、大丈夫だ。家の中に入れたって、ボロは出さないぞ。最悪、自爆システムも搭載だ、この家は」
高らかに笑うボス。
自爆システム、ついてるのか。
絹は、別の方向に感心していた。
さすがは、マッドサイエンティスト。
やることが違う。
「いやあ、京くんの悪っぽさは、チョウへの反抗かな…跡取りなんかにならないゾ☆、とか言ってるのだろうか…ああっ」
うっとりと、幸せそうだ。
ボスの様子に、絹も嬉しかった。
「あ、つまらん他の男には、くれぐれもうつつを抜かすなよ!」
うっとりから、少し時間がたつと、鋭い釘を刺された。
絹が、うつつを抜かしていないのは分かっているだろう。
しかし、そのどうでもいい男に、将をバカ扱いされたのが、気に入らないのだろう。
「もう少しで、追尾型プチミサイルの在庫が、一つ減るところでした」
島村が、頭をかいている。
やっぱりボスは、物騒なことを考えていたようだ。
「気をつけますが…ちょっとこの顔は、高級すぎますね。余計な魚が寄ってきそうです」
絹は、不可抗力は認めて欲しいという意味で、そう言ったつもりだった。
「そう…大物を釣り上げてもらわなければ、困るんだよ」
しかし、ボスはくくく、と怪しげに笑う。
「究極の目的は…チョウなのだからね」
言葉に、絹は海よりも深く理解した。
要するに、三兄弟を足掛かりに、家にまで入り込み、チョウと接触してこいと――そう言うのだ。
家に行く、口実ね。
絹は、新たなミッション追加に、静かに思案をめぐらせたのだった。
帰りついた絹は、ボスに絶賛された。
わざわざ、玄関まで出迎えてもらえるほど、喜んでいるようだ。
もう、広井家の車は走り去った。
見送った後に、絹は家に入ってきたのだから。
「すみません、勝手に家を教えて」
一応、絹は午後にマイクにしゃべりかけたのだ。
『教えてマズイことがあれば、何かで知らせて下さい』と。
信号弾でも打ち上がるかと、授業中は時々窓の外を見ていた。
しかし、外は静かなまま。
「はっはっはっ、大丈夫だ。家の中に入れたって、ボロは出さないぞ。最悪、自爆システムも搭載だ、この家は」
高らかに笑うボス。
自爆システム、ついてるのか。
絹は、別の方向に感心していた。
さすがは、マッドサイエンティスト。
やることが違う。
「いやあ、京くんの悪っぽさは、チョウへの反抗かな…跡取りなんかにならないゾ☆、とか言ってるのだろうか…ああっ」
うっとりと、幸せそうだ。
ボスの様子に、絹も嬉しかった。
「あ、つまらん他の男には、くれぐれもうつつを抜かすなよ!」
うっとりから、少し時間がたつと、鋭い釘を刺された。
絹が、うつつを抜かしていないのは分かっているだろう。
しかし、そのどうでもいい男に、将をバカ扱いされたのが、気に入らないのだろう。
「もう少しで、追尾型プチミサイルの在庫が、一つ減るところでした」
島村が、頭をかいている。
やっぱりボスは、物騒なことを考えていたようだ。
「気をつけますが…ちょっとこの顔は、高級すぎますね。余計な魚が寄ってきそうです」
絹は、不可抗力は認めて欲しいという意味で、そう言ったつもりだった。
「そう…大物を釣り上げてもらわなければ、困るんだよ」
しかし、ボスはくくく、と怪しげに笑う。
「究極の目的は…チョウなのだからね」
言葉に、絹は海よりも深く理解した。
要するに、三兄弟を足掛かりに、家にまで入り込み、チョウと接触してこいと――そう言うのだ。
家に行く、口実ね。
絹は、新たなミッション追加に、静かに思案をめぐらせたのだった。