ワケあり!
Ver.将2
「せーの!」
見上げた――空。
雪雲のない、快晴の冬の空。
「……」
声なんか出ない。
そこには。
原始の空があった。
この空に、近いものを前に見た。
街が真っ暗になった夜。
しかし、それよりももっとすごい夜空。
ここの空気が、冴え渡っているせいだ。
あれを超える空には、もう出会えないと思っていたのに。
「いつか、さ…」
見上げたまま、彼は呟いた。
「いつか、一緒に宇宙に行こうよ」
大学生になった男が、本気でそれを言っている。
行けたらいいね、ではなく、行こうと。
工学科に進んだ彼の、それはきっと目標になったのだろう。
夢、なんてふわふわしたものではなく。
「そうね…宇宙では、また違う星空が見えそうね」
それはもう原始ではなく、未来的な星空になるだろう。
星を見上げている男は、きっと星へ征く者になるのだ。
「せーの!」
見上げた――空。
雪雲のない、快晴の冬の空。
「……」
声なんか出ない。
そこには。
原始の空があった。
この空に、近いものを前に見た。
街が真っ暗になった夜。
しかし、それよりももっとすごい夜空。
ここの空気が、冴え渡っているせいだ。
あれを超える空には、もう出会えないと思っていたのに。
「いつか、さ…」
見上げたまま、彼は呟いた。
「いつか、一緒に宇宙に行こうよ」
大学生になった男が、本気でそれを言っている。
行けたらいいね、ではなく、行こうと。
工学科に進んだ彼の、それはきっと目標になったのだろう。
夢、なんてふわふわしたものではなく。
「そうね…宇宙では、また違う星空が見えそうね」
それはもう原始ではなく、未来的な星空になるだろう。
星を見上げている男は、きっと星へ征く者になるのだ。