ワケあり!
Ver.将3


「あー…えっと…キスしてもいいかな?」

 しかし、今はまだ。

 星よりも、地上の女にとらわれている。

 こっちが片付かないと、空にいけなくなってしまいそうだ。

 絹は、小さく笑ってしまった。

「これから、全部ひとつずつ確認を取るなら…断り続けるわよ」

 笑いながら、隣の男の足元に火をつける。

 いちいち聞かないで、と。

「あ…うん…そうだよな」

 一度空を見て、彼は地上の絹に戻ってきた。

 冷えきった唇と共に――


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