ワケあり!
Ver.……2


 額の傷跡を、きれいに消してやったら。

 犬は、目をさました。

 なんら変わらない、彼に向ける瞳。

 ああ。

 自分の近くにいることを、誰よりも誇らしそうにする瞳。

 無機質な駒を買ったのではなく、自分は犬を飼ってしまったのだ。

「ボス、準備できました」

 いまも。

 犬は、そこにいる。

「では、出かけよう」

 女は、とても愛せない。

「楽しみですね、チョウさんのバースディ」

 だが。

「そうだな」

 犬なら――愛せる自分を知った。



--------
END

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