私と貴方と紫煙と単車
入学早々……
アホみたいにジメジメした猛暑が毎日のように続いて頭と体がバカになりそうだ。
汗腺という汗腺から汗が吹き出し、飲み物が手放せずにいる。それに加え、朝っぱらから蝉の大合唱が囂しい。
そんな様々な蝉共のせいで、嫌でも早起きさせられる毎日だ。
杉林に囲まれた、この家は、直射日光は防げるが、ジメジメした暑さは、防げない。
杉林に囲まれているがために、蝉の大合唱も日を増すごとに更に激しさを増していった。
「あぁー!!もうっ!蝉は、毎日毎日朝っぱらからうっさいし、ジメジメジメジメって気持ち悪いのよ!!まったく……さっきから勉強が全く進まないじゃない!」
ウザったい暑さからか、人間の言葉など分かる筈がない蝉や気候に罵声を浴びせている。
そんな彼女の名前は、「菟莞櫻」(ウイ サクラ)
そんな彼女でも、私立清瀧学園の生徒会長を勤める、容姿端麗頭脳明晰、定期テストじゃ常にトップクラス。
キャミソールに長めのハーフパンツとラフな格好に、サラサラの長い黒髪をアップに纏め、こめかみの辺りから、肩口にかけて、自慢の黒髪を下ろしている。髪の毛をアップに纏めているので、髪に邪魔されず見える項がなんとも美しい。
そんな彼女とは対象に隣からマンガ越しに横目で眺める、少年。
彼の名前は、「皇魅柘姫」(スメラギミツキ )
短く切った髪を銀に染め、襟足は、肩口にまで伸びている。
見るからに不良である。ダボダボのタンクトップに、ダボダボのジャージのハーフパンツを腰履きしていて、非常にルーズな格好である。
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