私と貴方と紫煙と単車
「ったく…おっせぇなぁ〜」
ぶつぶつと愚痴をこぼしながら、焼きそばパンをかじっていると、勢い良くドアが開いた。
バタンと大きいな音に吃驚し、ドアの方を見ると、櫻が泣きながら走ってきた。
声をかける暇なく、魅柘姫の胸に顔を埋めた。
「おいおい…櫻、どうしたんだ?」
「ひっく…んぐ…うぐぅ」
既に、魅柘姫の胸はぐっしょり濡れている。
「何があった?話してみろ…」
魅柘姫の優しさ問い掛けに、さっき言われた事を全て話した。
魅柘姫の胸で泣く櫻の頭を何度も何度も優しく撫で、落ち着かせ、さっきまで座っていた植え込みに座らせると、ドアを蹴破り、階段を駆け下りた。
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