私と貴方と紫煙と単車
職員室に着くと、またもやドアを蹴破った。
「おいっ!!!櫻の担任どいつだぁぁ?あぁん?」
「わ、わたしだが…」
恐る恐る手を挙げると、魅柘姫を見た。
「お前かぁぁ!!櫻泣かしたのわぁぁ!!」
駆け寄ると、胸ぐらを掴み怒鳴りつけた。

「なっなぁ魅柘姫、まず落ち着け…話せば分かる。ぼ、暴力は止めような、暴力は……」
「ごちゃごちゃうるせぇんだよ!オレの事はどう言おうと構わねぇがな、櫻を泣かせるような真似は許さねぇ!」
担任の話など、聞こえてなどなく、既に握り拳が頬にめり込んでいた。
吹き飛ばされ、アルミ製の机に叩きつけられた担任に間髪をいれず、憤慨の拳が叩き込まれた。
マウントをとっているので担任はやられるがままだ。
鼻は折れ、口は切れ出血している。
よほどの力で殴ったのか、前歯が一本無くなっていた。
職員室に居た他の教職員も止めに入ったが、押さえ込むのに精一杯だった。
誰かが通報したのだろうか、校庭に、パトカーが止まっていた。
その頃、屋上にた櫻も、なにやら騒がしい校内に異変を感じ、教室に行ってみると、螢斗達が自棄にそわそわしていた。
「ねぇ螢斗、自棄に騒がしいけど、なにかあったの?」
「あっ櫻!!なにかあったの?じゃないわよ!!あんたの彼氏が、魅柘姫先輩が、職員室に殴り込んでウチ等の担任半殺しにして、警察まで来てるのよ!!あんた今までなにしてたの?」
その話を聞いて櫻の体から血の気が引いた。
< 12 / 24 >

この作品をシェア

pagetop