私と貴方と紫煙と単車
あの日から3ヶ月。
櫻は、あの日以来熱心に学業に励んでいた。
その結果、日頃の行いや学力など、業績を評価され、一年生で生徒会長を任されていた。
生徒会の仕事をバリバリこなし、定期テストでは、常にトップに君臨していた。
「よし!今日だ!」
「おっ、櫻、なんだか機嫌良いね?」
「だって今日はあの日だもの♪」
「あぁ〜あの日だったかぁ!って何だ?」
「それじゃ私忙しいからじゃぁねバイバイ」
忙いで、教室を飛び出して、駐車場へ向かった。駐車場には、一際目立つ一台の族車が止まっている。
「今日だ…やっとこれを彼に…魅柘姫さんに……」
考えただけで胸が弾んだ。
リュックから、財布を取り出し開けば、免許証が入っていた。
普通自動二輪。
その文字が刻まれていた。
ここ数ヶ月の間に、必死でとった免許証だ。
一応、校則では、免許証の取得は許可されているが、免許など取る物はヤンキーばかりだ。
財布をリュックにしまい、次に真新しいコルク半を取り出した。
魅柘姫の単車と同じ色に塗装された綺麗なコルク半だ。きちんと、三つボタンを締め魅柘姫から預かったキーを差し込んでセルを回すと、懐かしい爆音が当たりに響いた。
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