私と貴方と紫煙と単車

｢ねぇ、これって魅柘姫先輩ぢゃない？｣
｢絶対そうだね！！アイツまたやったな！私ちょっと行ってくな！｣
｢えっ!?チョット待ってってば!!｣
急ぎ足で駐輪場に向かうと、丁度、動き出すところだった。
｢コラァァ！！魅柘姫先輩っ！！今朝注意したばかりでしょう！！｣
｢なんだぁ〜またお前か……今度は、何の用だぁ？｣
｢早く、エンジンを切って、バイクから降りて下さい！！あと、私はお前ではなく、櫻ですっ！｣
｢あのなぁ〜オレだって色々と忙しいんだよ……｣
本日二度目の怒鳴り声。しかも背後から…。
｢コラァァ！！！！｣
｢うわっ……生活指導のゴリ山だよ…アイツ説教なげぇんだよ…｣
━━━キュキュバブー━━━
再度けたたましい爆音が鳴り響く。
｢ほら、早く乗れ！！オレと居ると、櫻まで捕まるぜ♪まぁオレはいいんだけど。んじゃコイツ借りてくから♪｣
｢えっ!?ちょっ!!螢斗〜!!｣
｢喋ってと舌噛むぞ!!しっかり捕まってろよ！｣
━━━バンバンバブー━━━
櫻は、今まで味わった事のない単車やスピードで知らず知らず、魅柘姫の腰に抱きついていた。
(どどど、どぉしよ〜スッゴい速いし、何処に連れてかれるの？無事に家に帰れるの？)
更にスピードが上がるにつれ、抱き締める力が強くなる。
魅柘姫の背中に豊満な二つの膨らみが押し付けられる。
(なんだ…コイツ意外に胸あるんだな〜)
男なら誰しも思う事を考えつつ、バイクを走らせてると、海まで来てしまった。