†箱庭†~ブロックルーム『1229』~
あっ
また誰か呼んでる……
低くてとてもセクシーな声。私を呼ぶあなたはいったい誰?
意識が段々とはっきりしてくる。いつのまにかまた寝てしまったらしい。
そっと目をあけると目の前は薄暗く、机につっぷして居たはずの私の体はいつの間にか冷たい床に寝ころんでいた。
「やばっ。今何時!?」
周りを見渡してみるが、月明かりもなく闇があたりを埋め尽くす。
急に襲う恐怖感。
携帯電話で時間を確認しようと鞄を探すが、手に当たるものはない。
「え?なんで?あれ…机どこ?」
少し手を伸ばし先を探るがやはり、なにもない。
次第に目がなれていき、周りがはっきりとしてくる。
目の前に現れたのは、机でも本棚でもなく
いくつも並ぶ扉だった。