†箱庭†~ブロックルーム『1229』~
ぼーーっと外を眺めているうちに雑談会は終わり、部長がは「掲示板にちゃんとこいよ」と言い捨ててみんなと帰ってしまった。
もちろん、私はパソコンに触る気はない。
機会音痴だというのはもちろん、思い出すのも嫌な悪夢を見たからっていうのもある。
「面倒くさいけど、みんなと時間をずらして帰ろう。」
私は、椅子に座ったまま又ぼんやりとグラウンドを眺める。
季節は夏へ移ろうとしている。外を流れる風はまだ少し冷たいが、締め切った部屋の中では優しい日差しが体をつつんでくれる。
夢の中で感じたまぶしい光と少し似ているかもしれない。
時計は、五時を回っているだろう。
部屋に時計などないが、野球部が片づけだしたので、自ずと時間がわかる。
視界から次第に部員がいなくなっていく。
綺麗に片づけられたグラウンドと……
ひらひらと動いている手。
ん!?
手!!?
窓の下から腕が伸び、私の目の前で規則正しく、右へ…左へ……
そして、窓の下からいきなり現れた見覚えのある顔。
エース…なにやってるんですか……?