†箱庭†~ブロックルーム『1229』~
夢の中の不機嫌王子様
しばらく放っておこうと思ったがあまりにも大きな機械音に耐えきれず、パソコンの前に腰をおろす。
画面の中は相変わらず赤く光り、なんの文字もでていない。
ためしに、エンターキーを押してみる。
ピーー ピーー
「だめかぁ…」
なんの変化もなし。
外では、野球部が片づけをはじめている。
いつのまにか泥だらけになった部員達。
なぜだか、そんな男子の姿ってかっこよく見える。汗を流し厳しい練習で鍛えられた体を引きずるように倉庫へ道具を運んでいく。
その中で例のエースはただ腕を組んでながめているだけ…
やっぱりあの人なんか気に食わない!
私なんてわけのわからない機械音に悩まされているっていうのに!!
なんだかやる気を無くした私はキーボードの上に頭を預けた。
機械の微妙なあたたかさがなんだか気持ちいい。
いつのまにかうるさい機械音も気にならなくなり、意識が遠のいていく……