First Kiss
怖くなったあたしは、残り家まで徒歩5分を走って帰った。
ヒールを履いてたため全く早く走れなくて、無駄に体力だけが奪われていく…。
『はぁ…はぁ…はぁ…』
家の前に着く頃には、完全に息が上がっていた。
門を開けて入ろうとした時…
ガシッ!!!
追い付いた有くんに腕を捕まれた。
叫びたくても
息が切れてて声が出ない。
「そんな怖い顔すんなよ。」
有くんがふっと軽く笑みを浮かべながら言った。
『…なんでいるの?』
息を落ち着かせて有くんに聞いた。
睨んでいないと、いくら中学が一緒だった友達でも、怖くて涙が止まらなくなりそうだった。
*