First Kiss
『もしもーし?』
「俺だけどー…」
(…ん?)
明らか声が祥太ではない。
『だれー?』
「俺だってばー!」
(俺俺詐欺か!!?)
なんて思いながら、どこかで聞いたことのあるような声…。
ハッと思いついて
『潤だっ!!』
と叫んでしまった。
潤とは…祥太と田中くんと同じテニス部で、次の副部長候補。
あたしと同じクラスで、バイトも同じコンビニとだけあって話がよく合う友達。
「あったり〜♪」
『なんで潤が祥太の携帯から掛けてくんの〜?』
あたしが聞くと、
「なぁ!これから暇ぁ〜?」
と、あたしの質問は無視されて、いきなり電話の相手は祥太に変わっていた。
『今日はバイトないし…暇だけど?』
「俺ら部活なくなって暇なんだっ!!こないだの公園にいてよっ!!?今から潤と行くから。じゃーなっ!」
言いたいことだけ言って、祥太は一方的に電話を切った。
あたしは陽海を誘って一緒に公園に向かって、祥太と潤が来るのをベンチに座って待っていた。
*