First Kiss



次の日…


放課後、あたしは柚居といつもの公園で待ち合わせをしていた。


借りたCDを返したいと言って柚居を呼び出したのだ。






本当の理由は…違うところにあった。








他愛ない話を10分15分して、あたしは本題に入った。





『ねぇ柚居…?』


「ん?♪」





(笑わなきゃ……)


そう思って、無理矢理笑顔を作りながら話す。










『あたしね…柚居のこときちんと諦めることにしたから!』


「………うん。」





(そんな寂しそうな顔しないで…)



笑顔が消えた柚居の顔を見て、あたしの笑顔まで消えそうになった。











あたしはその寂しそうな柚居の顔を見てられなくて、“諦める”ということだけ伝えて帰ることにした。












『…じゃあ、バイバイ。』



“またね”と言わなかったのは、一応あたしにとってのけじめ。








柚居を忘れて、祥太を好きになれるようになろう。


そう思った。



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