First Kiss



2日後――…



祥太は、夕方からバイトがあるあたしに「それまで会いたい」と言ってきた。





11時に駅前で待ち合わせることになったが、あたしはあまり行きたくなかった。




待ち合わせ場所に近づけば近づくほど、どんどん“帰りたい”という気持ちが増す。








着いて2分も経たない内に祥太が来た。




「よっ♪」


『…うん。』


「元気なくね?」


『……そんなことないよ。』




無理矢理笑ったが、きっと苦笑いになってるだろう。










歩きだして、いつもの公園に向かう。



公園に着いてベンチに座ると、祥太は携帯を出しながら話始めた。




『見てコレ♪』


そう言ってあたしに自分の携帯の待ち受け画面を見せてくる。





覗いてみると…



相合傘に“柚芽”と“祥太”の文字……






『あはー…作ったんだあ…』


「おう♪今はペア画探してんの!なんかいいのないかな〜?」
























あたしはだんだん…笑顔の作り方が分からなくなってきていた。



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