First Kiss



30分くらい…祥太は一方的に話をしていた。



あたしはほとんどの話が右から左に抜けていっていて、とりあえず話に合わせて頷いていた。








沈黙になると、祥太があたしの髪を触りながら



「することないからチューする♪」



と言って、あたしの頬にキスしようとしてきた。








でも重なり合ったのは唇。





軽く触れ合う程度のキスだ。









でもその後、続けざまに祥太は唇を重ねてきて……舌を入れてきた。












ゾワッ







身体中の鳥肌が立った気がした。







(気持ち悪い!!)




真っ先にそう思った。


でも、突き飛ばしたらきっと祥太を傷つけてしまう……


そう思って抵抗はしなかった。
















唇が離れると、



「柚芽…?どうした?」



祥太に顔を覗き込まれた。
















あたしは泣いていた。





いつもの公園でキスをする相手が……




柚居じゃないことが悲しくて、涙が止まらなくなっていた。



*
< 67 / 72 >

この作品をシェア

pagetop