First Kiss
30分くらい…祥太は一方的に話をしていた。
あたしはほとんどの話が右から左に抜けていっていて、とりあえず話に合わせて頷いていた。
沈黙になると、祥太があたしの髪を触りながら
「することないからチューする♪」
と言って、あたしの頬にキスしようとしてきた。
でも重なり合ったのは唇。
軽く触れ合う程度のキスだ。
でもその後、続けざまに祥太は唇を重ねてきて……舌を入れてきた。
ゾワッ
身体中の鳥肌が立った気がした。
(気持ち悪い!!)
真っ先にそう思った。
でも、突き飛ばしたらきっと祥太を傷つけてしまう……
そう思って抵抗はしなかった。
唇が離れると、
「柚芽…?どうした?」
祥太に顔を覗き込まれた。
あたしは泣いていた。
いつもの公園でキスをする相手が……
柚居じゃないことが悲しくて、涙が止まらなくなっていた。
*