心から恋してる




目を覚ますと、酸素マスクは外されていた。


ベッドのわきに置いてあるイスには、まだ奏くんがいた。


あたしの手を、ちゃんと握りながら、スヤスヤと眠っていた。



引き出しの中から腕時計を出すと、まもなく4時。



「奏くん、起きて。風邪引くよ…」


「…っ」



大きなあくびをして、目をこすった。


ふふ…、陽太に似てる…


ガバっ…

「奏くん…、そ…奏くん!?」

な、何で抱きしめられてんの!?



寝ぼけてる!?



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