瞳の奥のジェラシー
いくら理系で…わたしよりレベルの高い大学目指してるからって…

「姉貴。解けるよね?確率の問題。」

「当たり前じゃない。同じ数学でも、数Aは得意よ?」

「うん。考え方も答えも完璧。解けるんじゃん?」

そう言って、頭を撫でてくれた。


夕食後も、和明に勉強を教えてもらおうと思ったら、彼が机に突っ伏して寝ていた。
寝る時も眼鏡を外さないとこが、また可愛い。
つい微笑んでしまったが、風邪をひくといけないので、自分の着ていたパーカーを肩にかけてあげてから、部屋を出た。


翌日の面接は、上手くいった。テストなんて、数学がいつもの数倍、出来良かったし。

まあ、高校受験レベルの問題だったこともあるだろう。

そして、面接の日から、1週間。

『藤野 紗香さんですか?採用です。明後日から研修を行いますので、よろしくお願いします。』


どうやら、和明は聞いていたらしかった。


「姉貴、採用おめでと。
ご褒美。オレの秘密、教えてあげよっか?
なんで俺が、寝る時も眼鏡外さないか。」


そう言いながら、和明が眼鏡を外していたことに、気付かなかった。








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