ちかくてとおいキミ。
第一章
「ちぃー!置いてくぞー」
今日の朝も私の幼なじみは玄関から
二階の部屋にいる私を呼ぶ。
「うっさいなーっ。急いでるじゃん!今、ゆたと話すことによって3秒遅れたからね」
なーんて、
待たせてるくせにこんな事を言ってもゆたは怒らない
鞄を持って階段を駆け下りると
玄関にはいつもの
明るい茶色の髪をセットして
耳と眉にピアスをつけて
制服を着崩した
ゆたがいる。
「おっせーよ。ほら」
そう言って黒の私専用ヘルメットを渡してきた