ちかくてとおいキミ。
「ん。ありがと」
ローファーをはきながらゆたに言う。
私達は小さい時から
一緒に歩いて学校へ行っていた
…けど。
ゆたがバイクに出会った中2の時からずっと
バイクで登校。
面倒くさい事が嫌いな私達は
歩かなくて済むので
これからもきっと
二人でバイクで登校だと思う。
「とばしますよー」
うしろに私が乗ったのを確認して、ゆたは言う。
「はいはーい」
それが合図の様に私はゆたの制服のシャツを
ちょっと掴む。
バイクが走り出すと
涼しい風を身体中に感じる
風にのってゆたの匂いがする
私はこの瞬間が好き。