付き合って1年目、彼氏は浮気男
おまけストーリー
「あーあ、陽雄全然相手してくんなくなったね~」
「ほんとぉ~」
放課後の教室で、窓から仲良く下校して行く恵と陽雄を見つめて、女子の団体は話していた。
「この間のチュー以来さあ~、全くだよね」
「ほんと。見せ付けられた感ある」
陽雄は彼女達の相手をしなくなり、今じゃ恵とベッタリだ。
文句の一つも言いたくなる。
「…でも…あんな陽雄の表情、うちらと居た時は見せなかったよね」
恵に向かって優しい微笑みを浮かべる陽雄を見て、その愛しさが溢れる表情に一人の女子が呟いた。
他の女子もまた、感じていた事だった。
「…そうだね」
「なんつーか、あんだけラブラブされたら、逆に幸せになってくんなきゃ困る!」
「うんうん!あの表情させれんの、小野だけだし。あの二人さ…」
『悔しいけど、お似合いだよね』
全員が同じ言葉を発した。
お互い顔を見合わせ、思わず吹き出した。