俺様の運命の女神


履き慣れない下駄でヒョコヒョコ歩く彼女。

俺は思わず手を差し出した。


「ほら、危ねぇだろ」

「あ、ありがとうございます////」


はぁ~~~~ありえねぇ~~~。

今までなら、突き飛ばす事はあっても、

自ら女に手を差し出すなんて……。


コイツと接するようになって、

少しずつ変わって行く自分に気付く。


大勢の人だかりの中を歩くのは危険すぎる。

姉貴に“後で連絡する”と告げて、

人気のない少し離れたビルに向かった。


大きな川の河川敷で行われる花火。

俺らは離れたビルの非常階段から観る事に。

穴場のようで人気が無い。


ヒュルルルルッ……ドンッパッ……パチパチパチパチ…


「キャァァアア~~!!」


夜空に大輪の花が咲く度、歓声を上げる彼女。


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