俺様の運命の女神
周りに沢山の人気を感じて…
重い瞼を薄ら開けると、
泣き顔の彼女が心配そうに俺を見ている。
何かを話し掛けているようだが、
声がどんどん遠のいて…。
身体がどんどん重くなる。
その時――――、
人だかりの中、
彼女の後ろに…
公園の入口に立っていたあの男が
俺をあざ笑うかのように見下ろし、
ニヤリと顔を歪めた。
ざわめく人だかりの中、
もう一度、ヤツを見ようとしたが
既に姿を消した後だった。
後を追うにも身体が動かず、
真っ暗な闇の中に埋もれるように
俺は意識を手放した。