俺様の運命の女神


俺の強い口調に口を噤む彼女。

張り詰めた空気が室内を漂う。


「悪い。俺、少し寝るから帰っていいぞ?」

「え?……あの、もう少しいます。先輩が寝付くまで…」

「……勝手にしろ」


上手い言葉が見つからない。

優しい言葉を掛けたいのに…。

マジで情けねぇ。

何でいつも俺はこうなんだ。

はぁ……。



俺は全身が重く、

ベッドに沈み込むかのように。


ベッド脇に彼女がいる中で、

……眠りについた。


消毒用のアルコールの匂いと薬品の香りが漂う中、

甘い花の香りを感じながら……。


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