俺様の運命の女神


ふと、左腕に冷たい感覚を感じ目を覚ますと、

点滴筒の三方活栓から薬を注入されていた。


「あっ、起こしちゃいました?」

「……いえ」

「彼女、余程心配なんですね?ずっと手を握られてましたよ」

「へ?」


看護師の視線の先、

俺の右手の方へ視線を移すと…


!!!!!!!!

彼女が俺の手を握りしめ眠っていた。


「すみませんけど、そろそろ時間も時間なんで…。可哀想だけど起こして下さいね?」


そう言い残し、ドアの向こうへ消えて行った。

時計を見ると、19時35分。

はっ!?もう、こんな時間……。


夕食をまだ取り終えてない俺のベッドテーブルの上には

質素な軽食が置かれていた。


< 204 / 297 >

この作品をシェア

pagetop