俺様の運命の女神
ストーカーが逮捕されたとは言え、
暗くなって帰すのは気が引ける。
俺は握られている右手を握り返した。
「おい……おいっ…」
余程疲れているのか、彼女はぐっすり寝ている。
もしかして、ストーカーに怯えて寝れて無かったんじゃ。
そんな想いが過る。
「おい…おいっ!!風果……風果?」
点滴が刺さっている左手で彼女の頭を撫でると、
「………ん?」
ゆっくり頭を上げた彼女。
少し寝ぼけ眼の彼女の手を軽く動かすと
「あっ!?先輩!!大丈夫ですか?熱は?痛い所は?」
起きたてで、俺の事を心配してくれている。
何だか嬉しくてこそばゆい。