俺様の運命の女神
その夜、彬に電話で事の次第を話した。
早速、明日から極秘で調べてくれるらしい。
さすが、理事長の息子。
勿論、俺自身も…あの女を探すが。
多分、探すのは簡単だと思う。
旧図書室の鍵を借りに来た生徒を調べれば、すぐに判明する。
問題は……あの女をどうやって口説くかだ。
俺は今まで、女とまともに会話すらしたことが無い。
女から話しかけられても、完全無視だし。
俺から話しかけるのは、いつだって罵声のみ。
そうやって今まで自分に棘を生やして、身を守って来た。
なのに…突然、好きになって貰えって。
そりゃあ、ムリがあるだろ。
俺ファンならともかく、あの女はファンどころか…恐らく俺の名前さえ知らないだろう。
はぁ…。
明日から余計な心配ごとが増えたじゃねぇか。