俺様の運命の女神


「徘徊っていうのは、あても無くウロウロ歩き廻ることだ。」

「ウロウロって…」

「あぁ、最初は家の中だけだったらしいが、陽気が暖かくなるにつれ、外を歩き廻り…」

「手に負えなくなったワケか…」

「あぁ…。その子が学校に行ってる間に、20キロも離れた街で保護されたりしたらしい」

「それじゃ、勉強どころじゃないな」

「あぁ。高校入学を機に施設に預けたようだ」

「そんなことが……」

「暗い話になったが、今は1人暮らしってワケだ」

「サンキュな」


俺は昨日、旧図書室で見たあの子の姿を思い出していた。


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