無口少年に恋をしたら

無口少年登場！

そして、あの長い間、ずっと語り続ける校長の話に耐え、やっと教室に戻った。

出席確認が終わると、先生が一人の男子を連れて来て

「今日から新しい仲間となった中島将太だ。仲良くしてやれよ。」

と黒板に大きく名前を書いた後に言った。さらに

「じゃあ中島、みんなに一言。」

と付け足すと、中島将太は口を開いた。だか、無愛想に

「よろしくお願いします。」

と言っただけだった。

その後、真梨の隣の席に座った。

よく見ると、大きな目に高めの鼻、男らしいくはないけど、整った顔立ちですぐに女子からの人気者だった。

しかし、真梨が

「よろしくね！」

と話し掛けたが、当たり前のように無視された。

「あの～、将太君、ちょっと聞いてる?ねえ。」
「あのさ。聞こえてるの?」

と聞いても無視しているので、初日から真梨はテンションがガタ落ちした。

誰に話し掛けられても無視している事が多く、女子からの質問攻めにはかなり迷惑そうにしていたし、質問には一つも答えなかった。

唯一、クラスの男子とは話していた。

つまり、中島将太と言う人間は、口数が少なく、女子が苦手。話し掛けても基本無視なので、真梨の好みの男子からは論外だった。


それでも、クラスに馴染んだので、ある意味すごいとは思った。

真梨は心の中で、中島将太の事“無口少年”と呼んでいた。

真梨からすると、無口少年の事が理解できなかったし、誰も理解できないと思った。








だけと、中島将太の秘密や、真梨との未来は、想像できない方向へと動き始めていた。