好きだよ、たぶん。
タイトル未編集
高校最後の春。
「部活、一年生、何人来るかなー??」
「あんま入ってこないんじゃない?てか、あんまし来ても、部屋狭いから辛いし、5人くらいが妥当じゃない?」
「んー、そうかなー?10人くらい、どかーんと!」
「夏死ぬよ(笑)」
部活仲間のモモエと話ながら、仮入部の新入生を待つ、放送室。
私ら放送部は、大会で数々の実績を残し、色んなイベントの依頼を受けているものの、影が薄く、オタクが多いため、部員は多くない。
今は、2年3人、3年5人の計8人。
私は、部員が増えてほしいと思ってるけど、モモエの言う通り、放送室の広さ的に、10人も入ると窮屈。
「てか彩月(サツキ)、10人部員入るより、2人男子部員ほしくない?」
「あー、確かに、今、カズヤ君しかいないもんねー。」
カズヤ君ってのは、一個下の男の子で、わが部唯一の男子部員。
うちの学校は男子の運動部が強くて、そっちに流れてしまう。
その何が困るかと言うと、ラジオドラマやテレビドラマを作るとき、男役がいないこと。もう一人いたら、どれだけ表現の幅が広がることか…
「「一人でいい!一人でいいから入って!!」」
そんなことを叫んでいると、入り口の方から声が聞こえた。