アクセサリー
『瞳の住人』の演奏が終わると五分前を知らせるランプが点滅していた。
「ちょうどいい時間」
徳さんはつぶやきながらマイクとスタンドを片づける。隆一たちも手際よくギターやベースをしまってスタジオをあとにする。熱気であふれていたスタジオ内とはうってかわっての外の冷たい空気が心地よく感じた。
「さあて、今日も……ミーティングやります?」
「ミーティングもいいけど腹へったから何か食おうぜ」
ユウキさんが背伸びをしながら言った。いつもはだいたいココスに行くが、混んでいるときはマクドナルドで夕食を済ましていた。
隆一は腕時計に目をやる。九時二十分だ。
彩乃はまだ飲み会をやっているはず。携帯をチェックしてもまだ着信はない。でもそろそろ何かくるころだ。
「じゃあ、どっか行こうぜ」
「待って……俺は用事あるから、帰るわ」
「あっ、帰るの?」
トモヒロさんが振り返る。
「用事って? これ?」
玄太郎は小指を立てる。
「ああ、俺も用事あるんだよなあ」
徳さんが頭をかきながら言った。
「あっ、二人とも何かあるんだ。じゃあ、今日はやめよっか?」
「じゃあ、今日はおとなしくすぐ帰りますか?」
「悪い」
隆一は玄太郎たちと吉祥寺駅で別れる。駅へ続く人並みに飲まれるのを見送った。
携帯を見ればメールが届いている。
件名「なし」 10/26 21:23
今、終わりました☆
隆一君も終わりましたか? 今、かまどかっていうお店を出ようとしています。
「ちょうどいい時間」
徳さんはつぶやきながらマイクとスタンドを片づける。隆一たちも手際よくギターやベースをしまってスタジオをあとにする。熱気であふれていたスタジオ内とはうってかわっての外の冷たい空気が心地よく感じた。
「さあて、今日も……ミーティングやります?」
「ミーティングもいいけど腹へったから何か食おうぜ」
ユウキさんが背伸びをしながら言った。いつもはだいたいココスに行くが、混んでいるときはマクドナルドで夕食を済ましていた。
隆一は腕時計に目をやる。九時二十分だ。
彩乃はまだ飲み会をやっているはず。携帯をチェックしてもまだ着信はない。でもそろそろ何かくるころだ。
「じゃあ、どっか行こうぜ」
「待って……俺は用事あるから、帰るわ」
「あっ、帰るの?」
トモヒロさんが振り返る。
「用事って? これ?」
玄太郎は小指を立てる。
「ああ、俺も用事あるんだよなあ」
徳さんが頭をかきながら言った。
「あっ、二人とも何かあるんだ。じゃあ、今日はやめよっか?」
「じゃあ、今日はおとなしくすぐ帰りますか?」
「悪い」
隆一は玄太郎たちと吉祥寺駅で別れる。駅へ続く人並みに飲まれるのを見送った。
携帯を見ればメールが届いている。
件名「なし」 10/26 21:23
今、終わりました☆
隆一君も終わりましたか? 今、かまどかっていうお店を出ようとしています。