アクセサリー
「うん。いつもそうしてる」
「本場のイタリアじゃあ、フォーク一本で食べるらしいよ。スプーンの上でフォーク使うのは子供だけなんだって」
「ふうん。そうなんだあ」
そういえば『紅の豚』でポルコ・ロッソがパスタをフォーク一本で食べていたのを思い出した。
彩乃は感心してパスタが隆一の口に運ばれるのを見ていた。そのときバッグの中からブブブと携帯のバイブレーションの音がする。バッグをのぞいてチェックした。
「どうした? 電話?」
「ううん。なんでもない」
母からの電話だった。時計を見ると十時十分。帰ると約束した十時を過ぎている。そろそろ電話かメールがくるだろうと思っていた頃だったが、やっぱりきた。まだ帰るつもりは全然ないだけにうっとうしい。
「彩乃って、まだ十八だからなあ」
隆一はつぶやく。彩乃はダージリンティーを口にする。門限に気づいたのか隆一は食べるペースを早める。
(まだ一緒にいたいのに……)
彩乃はそう思った。
バッグの中ではまた携帯のバイブレーションの音が聞こえている。
「本場のイタリアじゃあ、フォーク一本で食べるらしいよ。スプーンの上でフォーク使うのは子供だけなんだって」
「ふうん。そうなんだあ」
そういえば『紅の豚』でポルコ・ロッソがパスタをフォーク一本で食べていたのを思い出した。
彩乃は感心してパスタが隆一の口に運ばれるのを見ていた。そのときバッグの中からブブブと携帯のバイブレーションの音がする。バッグをのぞいてチェックした。
「どうした? 電話?」
「ううん。なんでもない」
母からの電話だった。時計を見ると十時十分。帰ると約束した十時を過ぎている。そろそろ電話かメールがくるだろうと思っていた頃だったが、やっぱりきた。まだ帰るつもりは全然ないだけにうっとうしい。
「彩乃って、まだ十八だからなあ」
隆一はつぶやく。彩乃はダージリンティーを口にする。門限に気づいたのか隆一は食べるペースを早める。
(まだ一緒にいたいのに……)
彩乃はそう思った。
バッグの中ではまた携帯のバイブレーションの音が聞こえている。