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中央線の電車に揺られて、大学に向かう。混みあう車内では隆一たちは口を聞かず、黙ってつり革につかまっていた。
「そういえば、今日彩乃くるんだ」
ふっと思い出してつぶやいた。電車が揺れて、隣のサラリーマンと一緒によろける。
あの日、一緒に食事をして以来会っていない。携帯を気にする様子から察するに彩乃は 門限を気にしていたのだろう。だから隆一は早めに切り上げた。おそらく彩乃からは切り出したくないだろうから、そう思った。
もう五日……、いや六日会ってないか。
隆一は彩乃が好意をよせていることはなんとなく感じていた。隆一自身は特別な感情はないが、好意をよせられていると感じれば、多少なりとも意識はする。
おそらく恋愛はまだ不慣れなのだろう。不慣れなりの一生懸命さは伝わるので好感は持てる。
好感が持てる、……ただそれだけ。ただそれだけのこと。
混みあう電車はホームに人を吐き出し、また吸い込んでいった。
「そういえば、今日彩乃くるんだ」
ふっと思い出してつぶやいた。電車が揺れて、隣のサラリーマンと一緒によろける。
あの日、一緒に食事をして以来会っていない。携帯を気にする様子から察するに彩乃は 門限を気にしていたのだろう。だから隆一は早めに切り上げた。おそらく彩乃からは切り出したくないだろうから、そう思った。
もう五日……、いや六日会ってないか。
隆一は彩乃が好意をよせていることはなんとなく感じていた。隆一自身は特別な感情はないが、好意をよせられていると感じれば、多少なりとも意識はする。
おそらく恋愛はまだ不慣れなのだろう。不慣れなりの一生懸命さは伝わるので好感は持てる。
好感が持てる、……ただそれだけ。ただそれだけのこと。
混みあう電車はホームに人を吐き出し、また吸い込んでいった。