アクセサリー
「……うん」
女性客にベースを買ってもらったことよりも、彩乃は二十万円もするベースがあることに驚いていた。
「ちなみに隆一君のギターはおいくら?」
トモヒロさんは隆一に質問する。
「俺もやるの?」
隆一は自分の顔を指さして言った。
「うーん。じゃあ俺もクイズね。いくらだと思います? そこのかわいらしいお嬢さん」
そう言って彩乃を指さした。
「えっ……、えーっと」
まさか自分も直美と同じことをされると思っていなかった、しかも隆一に。
いくらぐらいだろう? 二十万はしないだろう。かと言ってそんなに安くはないだろう。
「……十万ぐらい?」
「ピンポーン! 正確には九万八千円しました! トモヒロさんにはかなわないですけどね」
隆一は笑いながら言った。
おおーっ、と声が上がる。十万円のギターに二十万円のベース。かなり高価な機材で演奏しているのだな、と思う。彩乃は隆一が十万円もするギターを買ったことに驚いていた。
MC後は、予定通りに楽曲を消化していく。次はいよいよ最後の曲だ。
「いよいよ最後になりました……、ちょっと失礼」
そう言ってエビアンを飲みほす。声も少し枯れてきている。
「大丈夫かな? あの人? 前の曲もすごいきつそうだったし」
直美が心配そうに見つめた。
「それでは最後はバラードなんです……、それじゃあ、いきます」
玄太郎はゆっくりとカウントをとる。隆一が思いきり情感をこめて弦の一本一本を丁寧に弾いた。
彩乃はゆっくりと刻まれるドラムや、ギター、ベース。歌詞の一字一字をかみしめるように聴いた。
テンポの早い曲よりもバラードの方が盛りあがりには欠けるかもしれないが、じっくり鑑賞することができる。彩乃はバラードの方が好きだった。
女性客にベースを買ってもらったことよりも、彩乃は二十万円もするベースがあることに驚いていた。
「ちなみに隆一君のギターはおいくら?」
トモヒロさんは隆一に質問する。
「俺もやるの?」
隆一は自分の顔を指さして言った。
「うーん。じゃあ俺もクイズね。いくらだと思います? そこのかわいらしいお嬢さん」
そう言って彩乃を指さした。
「えっ……、えーっと」
まさか自分も直美と同じことをされると思っていなかった、しかも隆一に。
いくらぐらいだろう? 二十万はしないだろう。かと言ってそんなに安くはないだろう。
「……十万ぐらい?」
「ピンポーン! 正確には九万八千円しました! トモヒロさんにはかなわないですけどね」
隆一は笑いながら言った。
おおーっ、と声が上がる。十万円のギターに二十万円のベース。かなり高価な機材で演奏しているのだな、と思う。彩乃は隆一が十万円もするギターを買ったことに驚いていた。
MC後は、予定通りに楽曲を消化していく。次はいよいよ最後の曲だ。
「いよいよ最後になりました……、ちょっと失礼」
そう言ってエビアンを飲みほす。声も少し枯れてきている。
「大丈夫かな? あの人? 前の曲もすごいきつそうだったし」
直美が心配そうに見つめた。
「それでは最後はバラードなんです……、それじゃあ、いきます」
玄太郎はゆっくりとカウントをとる。隆一が思いきり情感をこめて弦の一本一本を丁寧に弾いた。
彩乃はゆっくりと刻まれるドラムや、ギター、ベース。歌詞の一字一字をかみしめるように聴いた。
テンポの早い曲よりもバラードの方が盛りあがりには欠けるかもしれないが、じっくり鑑賞することができる。彩乃はバラードの方が好きだった。