アクセサリー
交換した隆一の番号を登録しているときのこと。隆一の手は彩乃の顔に向かってきた。
「なんかリスみたいだね」
そう言ってほほをさわってきたのだ。
ひっ、と顔を少し引く。そんなことでは隆一の手は離れない。いきなりこの人は何をするのだろう? と面食らう。さわられているとき、彩乃は動いたらいけないような気がしてじっとそのままでいた。ほんの五秒ぐらいだったのかもしれないが、彩乃には長く感じた。
「あれに似てるよ。なんだっけ、ほら? ディズニーのリスのキャラでさ……、兄弟だっけ?」
隆一の手が彩乃のほほから離れた。
「……チップとデール?」
「そう! それそれ。彩乃はそれに似てるよ」
そんなことを思い出す。
また会いたいな……、会いたい。今度はどんな会話をするのだろう……、会いたい。
想いがだんだん切なくなってきた。
彩乃は電気を消した。目を閉じた。
「手、冷たいね」
もう一度、隆一の言葉を繰り返す。隆一の手が触れたほほを軽くなでた。
「なんかリスみたいだね」
そう言ってほほをさわってきたのだ。
ひっ、と顔を少し引く。そんなことでは隆一の手は離れない。いきなりこの人は何をするのだろう? と面食らう。さわられているとき、彩乃は動いたらいけないような気がしてじっとそのままでいた。ほんの五秒ぐらいだったのかもしれないが、彩乃には長く感じた。
「あれに似てるよ。なんだっけ、ほら? ディズニーのリスのキャラでさ……、兄弟だっけ?」
隆一の手が彩乃のほほから離れた。
「……チップとデール?」
「そう! それそれ。彩乃はそれに似てるよ」
そんなことを思い出す。
また会いたいな……、会いたい。今度はどんな会話をするのだろう……、会いたい。
想いがだんだん切なくなってきた。
彩乃は電気を消した。目を閉じた。
「手、冷たいね」
もう一度、隆一の言葉を繰り返す。隆一の手が触れたほほを軽くなでた。