アクセサリー
14
アパートに帰ると練習やライブ本番の疲れが一気に襲う。さっさと今日は眠りたい。簡単にシャワーを浴びて、濡れた髪をタオルで拭いていると、目がとろんと重たくなった。こういうとき、自分は地球の重力に負けてしまっているんだな、と隆一は思う。すぐに寝てしまおう。
ドライヤーで髪を乾かし終わると、携帯のランプが点滅している。
着信が一件。
タカミだ。
少し緊張が走る。
なんだろう、急に。
正直かけなおしたくはない。タカミとはこのまま終わるにしてしまおう、と考えていた。波風たてずに自然消滅がのぞましい。だから、この着信は無視してしまった方がいいのかもしれない。しかし重要な要件なのかもしれない。このまま無視して終わってしまうことでもないような気がした。あまり気が乗らないが隆一はかけなおすことにする。
呼び出し音が鳴る。
四回鳴り、五回鳴る。
もう一回鳴ってでなかったら切ろう。
六回目が鳴ったとき、タカミに通じた。
「……はい」
久しぶりに聞くタカミの声。今まで無視してきたうしろめたさで、隆一に嫌な緊張が走る。
「……もしもし……、俺だけど。あの……さっき着信あったからかけなおしたんだ」
「……ああ、久しぶり……、元気にしてる?」
ゆっくりとして、少し冷たい感じのタカミの声。隆一はなんとか落ち着きを取り戻そうと、少し間をおいて深呼吸をした。
ドライヤーで髪を乾かし終わると、携帯のランプが点滅している。
着信が一件。
タカミだ。
少し緊張が走る。
なんだろう、急に。
正直かけなおしたくはない。タカミとはこのまま終わるにしてしまおう、と考えていた。波風たてずに自然消滅がのぞましい。だから、この着信は無視してしまった方がいいのかもしれない。しかし重要な要件なのかもしれない。このまま無視して終わってしまうことでもないような気がした。あまり気が乗らないが隆一はかけなおすことにする。
呼び出し音が鳴る。
四回鳴り、五回鳴る。
もう一回鳴ってでなかったら切ろう。
六回目が鳴ったとき、タカミに通じた。
「……はい」
久しぶりに聞くタカミの声。今まで無視してきたうしろめたさで、隆一に嫌な緊張が走る。
「……もしもし……、俺だけど。あの……さっき着信あったからかけなおしたんだ」
「……ああ、久しぶり……、元気にしてる?」
ゆっくりとして、少し冷たい感じのタカミの声。隆一はなんとか落ち着きを取り戻そうと、少し間をおいて深呼吸をした。