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徳さんが言う。ゴリメタルとは同じサークルの二年だ。隆一たちのバンドと別に行動している。ヘビメタ好きで、ゴリラのTシャツを着ていたことから、隆一たちの間ではゴリメタルと呼ぶことにした。かなりの自分勝手な性格で、一緒に共同作業をすると腹が立ってくる。もしバンドを一緒にやろう、となるとゴリメタルは「曲目を変えたい」「明日の六時に集合」と何の前触れもなく言ってくるだろう。決まってゴリメタルは遅刻するのだが。
そのうえビジュアル系バンドが好きで、特に『聖飢魔Ⅱ』のファンのようだ。ライブのときは『聖飢魔Ⅱ』に似せたメイクをする。バンドメンバーにも同じメイクを強いることだろう。ヘビメタにビジュアル系のメイクを強いられることは隆一には耐えられない。バンドはもう少し続けたいが、ゴリメタルと一緒にバンドはしないだろう。
ヘビメタ好きの単細胞ゴリラというように、ゴリメタルというニックネームには軽蔑の意味が混じっている。
「……とりあえずは文化祭を成功させないとな……。ところで〝女の子〟は何人ぐらい呼べそうなんだ?」
トモヒロさんが話題を戻す。
「そんなトモヒロさんにかまわないですって。去年みたいにたくさん呼んでくださいよー」
玄太郎はにやにやした。トモヒロさんはかなりモテるので、去年はかなり女の子が見にきたのだった。
「俺だけじゃなくてさ、玄太郎とかもたくさん呼べよな。そうだよな、隆一?」
「それはもちろん。あっ、でも徳さんは彼女呼ぶもんね?」
「ああ……、うん。……玄太郎と隆一はどうなんだ?」
徳さんは一瞬目が泳ぎ、曖昧な返事をする。
なんだろう? 彼女と倦怠期なんだろうか。隆一は視線をそらす徳さんを見て思う。
隆一は人の詮索をしてしまう癖がある。あまり会話に参加せずに人の顔色や素振りを観察して、性格なり、精神状態なりを自分なりに分析してしようとするのだ。あまりよいと思わないが、ついつい分析してしまう。
そのうえビジュアル系バンドが好きで、特に『聖飢魔Ⅱ』のファンのようだ。ライブのときは『聖飢魔Ⅱ』に似せたメイクをする。バンドメンバーにも同じメイクを強いることだろう。ヘビメタにビジュアル系のメイクを強いられることは隆一には耐えられない。バンドはもう少し続けたいが、ゴリメタルと一緒にバンドはしないだろう。
ヘビメタ好きの単細胞ゴリラというように、ゴリメタルというニックネームには軽蔑の意味が混じっている。
「……とりあえずは文化祭を成功させないとな……。ところで〝女の子〟は何人ぐらい呼べそうなんだ?」
トモヒロさんが話題を戻す。
「そんなトモヒロさんにかまわないですって。去年みたいにたくさん呼んでくださいよー」
玄太郎はにやにやした。トモヒロさんはかなりモテるので、去年はかなり女の子が見にきたのだった。
「俺だけじゃなくてさ、玄太郎とかもたくさん呼べよな。そうだよな、隆一?」
「それはもちろん。あっ、でも徳さんは彼女呼ぶもんね?」
「ああ……、うん。……玄太郎と隆一はどうなんだ?」
徳さんは一瞬目が泳ぎ、曖昧な返事をする。
なんだろう? 彼女と倦怠期なんだろうか。隆一は視線をそらす徳さんを見て思う。
隆一は人の詮索をしてしまう癖がある。あまり会話に参加せずに人の顔色や素振りを観察して、性格なり、精神状態なりを自分なりに分析してしようとするのだ。あまりよいと思わないが、ついつい分析してしまう。