キミと出逢えたキセキ
第一章
結愛は、小6から付き合っていた彼氏と別れて2ヶ月が経っていた。
部活の時 廊下練習で走っている彼を見た。
外が雨で外部が中で部活をしていたのだ。
同じ部活の綺姫は、次期キャプテン候補。男子とも知り合いが多い。
明るくて元気で気の強い感じの子。
でも 小学校の時からの友だちで何度もケンカをしてきた仲だ。
そんな綺姫が、走ってるサッカー部の1人の子とハイタッチをして喜んでいた。
そう。
それが中学生活で唯一本気で好きになった 拓己との出逢いだった。
綺姫が、わたしに言った。
「結愛ー ほら ハイタッチしてくれるからやってみなってー」
「えー いいよー」
そう言いながら、私は綺姫に促され彼が走ってきたところに手を出した。
パチン。
そんな音をたてながら 私と彼の手は初めて触れた。
彼の顔は無表情だった。
その時は、彼の存在さえ知らなかったし クラスなんてもちろん知らなかった。
これが わたし 木村結愛と佐藤拓己の出逢い。