キミと出逢えたキセキ
その後 体育館使用の時間になったので、体育館へと移動する。

外は雨が降りそうな天気へと変わっていた。
さっきの太陽はどこへ行ったのだろう。

そんなことを思っていると、急に雨が降り出してきた。

「わー やばいやばいやばい」

そんなことを言いながら、外で部活をしていた外部が中へとはいってきた。

玄関にいてバスケットシューズを履いている途中だったわたしもそんな場面を見る。
サッカー部もビショビショにぬれていた。
そんな中で 見つけたたっくんの姿。


なぜだろう。
彼のことはすぐに見つけられる。


「結愛 はやくいくよー」

「うん ごめごめ いまいくー」

瑞穂にそう言われ、その理由の答えを見つける前に体育館に向かった。




体育館練習が始まった。
シュート練習が中心だった。

つぎつぎと綺麗な円を描いてリングに入っていくバスケットボール。
そんなボールが綺麗に入った瞬間がわたしのバスケへのやりがいを1番感じる時だ。


そして 5分間の休憩。
そのあと 2年生VS1年生のゲーム。

2年生のチームメンバーは試合に出ているスタメン5人。

対する1年生は わたし 綺姫 悠里 瑞穂 結衣 の5人。

綺姫とわたしと結衣は、同じ小学校からずっとバスケをしてきた。
悠里と瑞穂は、今年から同じチームとして頑張ることになったばかりだ。

わたしの通う学校は、二つの学校が一緒になって構成される中学校である。
全校生徒は、600人以上。
1学年 200名以上。


悠里と瑞穂は、小学校の頃から試合で会ったりしていたから全く見知らぬ人ではない。



ジャンプボールから試合は始まった。
最初にボールをとったのは、1年生チーム。

それぞれが自分のポジションにつく。

ボールを回して、シュートのタイミングを見計らう。
24秒が残り10秒を示していた。
バスケットは、24秒以内に攻めきれないと相手ボールになるのである。


そんな状況の中 雨にぬれたサッカー部の部員が中練で使うボールをとりにきた。
それは たっくんと優斗だった。

そんなことを見ている場合ではない。
我に返ったわたしは、ポイントガードの綺姫からボールを受け取ると、スリーポイントラインからシュートを放った。

コート内にいる全員、まわりで応援している残りの部員 そしてサッカー部の2人。
リングに視線が集まった。


綺麗な円を描いて入ると同時に、24秒のタイムオーバーを知らせる音が鳴り響いた。
ブザービートだった。
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