大切な人
それから何ヵ月か経って、あたしは高校で出来た友達のあゆと話をしていた。
「最近さ、あんたりょうの事あんまり好きじゃないでしょ?」
「そんな事ないよ。」
「えーでもなんか興味ないって感じ!」
キーンコーンカーンコーン
あたしは最後のあゆの言葉を聞こえないふりをした。図星だったから。最近のりょうは自分勝手であたしよりも友達優先。前みたいに会いに来る回数も会ってる時間もかなり減った。
あたしはきっと寂しかった。
家に帰って、あたしはりょうにメールをした。
「りょうの気持ちが分からない。あたしより友達のが大切?」
りょうからの返信は一時間後だった。
「同じ」
ショックで、悔しくて、涙も出なかった。あたしは一番大切な存在でありたかった。
あゆにメールしたら返信が来た。
「それはショックだねー。今のあんた達は合わないんじゃない?距離置けば?」
「そうだよね。そうする。」
あたしは決心してメールを打った。
「距離置こう」
「やだ。」
「なんで?」
「やだ。」
話しにならない。あたしの心は着実にりょうから離れて行ってた。