身代わり王女に花嫁教育、始めます!
言われて初めて、リーンは体が左右に大きく揺れていることに気がついた。
「まあ、本当に。でも、大丈夫みたいです」
「その侍女は他に何を教えた?」
「え? ええ……砂漠の精霊はとても優しい、と。“砂漠の舟”に乗ってオアシスに連れて行ってくれる。でも、内緒にしておかないと、涸れ谷の魔物に連れて行かれてしまう。……確か、そんなことを」
リーンはカリムの胸にもたれかかり、母の言葉を伝えた。
母と言わなければ素性がばれることはない。そう思ったからだ。
「あの、カリムどの? この白いラクダは王宮で飼っているんですか? それとも……」
「言ったであろう。“砂漠の舟”が見つかった、と。彼らが何頭いるのか、どうやって生きているのか、日中どこにいるのか。すべて人間の知るところではない。彼らはオアシスの近くにいる。そして、水使いが精霊に伝えると、こうしてやって来てくれるのだ。彼らのことは、狂王とて言いなりにはできない」
「まあ、本当に。でも、大丈夫みたいです」
「その侍女は他に何を教えた?」
「え? ええ……砂漠の精霊はとても優しい、と。“砂漠の舟”に乗ってオアシスに連れて行ってくれる。でも、内緒にしておかないと、涸れ谷の魔物に連れて行かれてしまう。……確か、そんなことを」
リーンはカリムの胸にもたれかかり、母の言葉を伝えた。
母と言わなければ素性がばれることはない。そう思ったからだ。
「あの、カリムどの? この白いラクダは王宮で飼っているんですか? それとも……」
「言ったであろう。“砂漠の舟”が見つかった、と。彼らが何頭いるのか、どうやって生きているのか、日中どこにいるのか。すべて人間の知るところではない。彼らはオアシスの近くにいる。そして、水使いが精霊に伝えると、こうしてやって来てくれるのだ。彼らのことは、狂王とて言いなりにはできない」