身代わり王女に花嫁教育、始めます!
「シャーヒーンと体の関係などない。そう答えたら、あなたはどうするつもりなのだ?」


リーンの険しい表情がフッと緩み、


「よかった……もし、そうだったら……わたし」

「レイラー王女。あなたはレイラー王女なのだ。迂闊な言葉を口にしてはいけない」


すると、彼女はキュッと口を結び、


「カリムどの……わたくしは」

「何も聞くつもりはない。さあ、水からあがるのだ。テントに着替えが用意してある」


リーンの手を引き、泉の岸辺へと近寄った。

水の深さが彼女の胸から太ももまで下がり、あと数歩で岸に上がるというとき、リーンは動きを止めた。


「お話があります、カリムどの! わたし……わたしは」


振り向いたカリムの瞳を、リーンは真っ直ぐに見つめていた。

カリムはすぐに、彼女が真実を告白しようとしていることに気づく。


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